確定申告

確定申告を税理士に依頼する個人事業主は2つの落とし穴に注意

個人事業主が確定申告を税理士に依頼するときの意外な2つの落とし穴をご存知ですか?

それは、

  • 税理士は全般的に個人事業の確定申告を歓迎しないこと
  • 確定申告の業務の受付は2月には中断することも少なくないこと

です。

じつは、一般的な税理士は、業務の8割が法人税の業務、つまり会社の顧問税理士業務です。なぜ、そこに注力するかというと、法人の顧問契約は報酬も高く、毎月一定の金額が見込めて経営が安定するからです。

それに比べ、確定申告の案件は一時的で来年あるかは未定で、比較的安価です。しかも一時期に業務が集中するため、他の業務を中断して取り組む必要がでてきます。

税理士にとっては、法人の顧問契約業務より優先せざるを得ないこともあり、いわば、常連客の業務もそこそこに一見客に対応するのと同じ状況です。

これが、確定申告をあまり歓迎しない理由です。

また、例年何かしら確定申告は受けざるをえないこともあり、2月を前に既に確定申告の受注が貯まっていることも珍しくありません。

そのため、2月以降に税理士を探しても見つけにくいし、業務の受付を中断していることも多々あります。

この事実を知らずに

  • 税理士なんていつでも見つかる
  • 喜んで対応してくれる

と思って税理士探しをすると、

確定申告期限間近まで税理士が決まらずバタバタすることになります。

とはいえ、

  • 事業で手一杯で確定申告まで手が回らない
  • 思いのほか利益が出ていて節税もしたい
  • 融資なども視野に入れてきちんとした申告書を作りたい

など、税理士に依頼したい要望もありますよね。

でも税理士をどうやって見つけるか?なんてわからないし、じつは単にHPを見ても確定申告を歓迎する税理士であるかどうかは判別つきにくいのが実情です。

そこで、この記事では

この記事の内容

  • 確定申告を依頼する際の税理士の探し方
  • 税理士に依頼するメリット・デメリット
  • 税理士契約の形態
  • 税理士費用の相場

などについて解説しました。

税務の実務に通算18年従事した私の経験を元に解説しました

これから確定申告で税理士に依頼しようかどうか迷っている人には必見の内容です。ぜひ最後までご一読ください。

確定申告の税理士の探し方

結論から言うと、確定申告の税理士を探すには、

ポイント

税理士紹介サイトを利用するのがおすすめです。

というのは、税理士紹介サイトには確定申告を歓迎する税理士が登録しているからです。

税理士紹介サイトとは

税理士紹介サイトは、納税者と税理士を結ぶマッチングサイトです。

税理士紹介サイトに登録する税理士は、

  • 開業したばかりで業務を受注したい
  • 事業拡大や差別化で集客に力を入れたい

という税理士が登録しています。

確定申告は一般的な税理士は安価で歓迎しないのですが、税理士紹介サイトではそうではありません。

確定申告を受注して収益を上げたい税理士なので、喜んで引き受けてくれます。

ちなみに下のTweetは、税理士ドットコムという税理士紹介サイトを利用した時の口コミです。想像しているより意外に早く希望の税理士が見つかっているのがわかりますね。

税理士ドットコムの口コミ・評判についてはこちらの記事をどうぞ。
税理士ドットコムの評判をSNSの口コミを元に業界経験者が徹底解説

税理士紹介サイトの選び方

税理士紹介サイトと言っても大小さまざまで十数社存在します。それをどうやって選ぶのか?その基準をお教えします。

税理士紹介サイトの選び方の基準は、
具体的には、「①登録税理士の質・人数、②担当者のサポート、③運営年数・実績」の3つです。

登録税理士の質・人数

税理士紹介サイトでは、登録税理士を審査するところもあります。審査しているところが一番ですが、そうでなければ、登録税理士の人数が多いほど、いい税理士に出会う可能性は高くなります。

担当者のサポート

税理士選びでは、税理士との面談・報酬の交渉が必要です。
忙しいときの日程調整は大変ですし、価格交渉は苦手という方もいますよね。
そこで、税理士との面談の日程調整や価格交渉も担当者にお任せできるところがおすすめです。

運営年数・実績

税理士紹介サイトの運営年数が長く実績が多いほど、登録税理士の数も多く、担当者のスキルも高くなる傾向にあります。
税理士紹介サイトを選ぶ際は、「運営年数が長く」「実績が多い」ところを重点的に選びましょう。

おすすめの税理士紹介サイトについてはこちらの記事で解説しています。
税理士紹介サイトのおすすめ【最新ランキング】主要5社を徹底比較!

確定申告を税理士に依頼するメリット・デメリット

そもそも、確定申告を税理士に依頼するメリット・デメリットを知らないと、行動できませんよね。そこで、以下に簡潔にまとめました。

税理士に依頼するメリット

確定申告を税理士に依頼するメリットは6つあります。

メリット

  • 申告書に間違いがない
  • 時間的な余裕が生まれる
  • 節税対策をしたうえで申告書が作成できる
  • 税務調査に対する抑止力が期待できる
  • 税務調査対策ができる
  • 金融機関に対する信用力ができる

税理士に依頼するデメリット

税理士に依頼するデメリットは、ほぼこれだけです。

デメリット

  • 税理士費用がかかる

税理士に確定申告を依頼する以上はどうしても税理士費用はかかります。ただ、契約の形態を考えたり、相場をチェックし、その範囲で探すだけで、コスト削減は可能です。

税理士との契約形態

個人事業主が確定申告を税理士に依頼する場合、契約形態は大きく二つあります。顧問契約とスポット契約です。

顧問契約

顧問契約というのは、確定申告の時だけでなく年間通してサービスを提供する契約です。具体的には、税理士が毎月訪問し、財務内容のアドバイスや税務相談などを面談形式で行います。毎月の業務があるので、税理士報酬も毎月支払が生じます。

税理士報酬の支払い方としては、毎月発生する月額の顧問料と決算時期に発生する決算料になります。

スポット契約

スポット契約というのは、確定申告業務を行って、その時確定申告報酬を払うという契約形態です。一般的には個人事業主だと、このスポット契約が多いです。

顧問契約とスポット契約についてはこちらの記事でくわしく解説しています。
税理士と契約するなら顧問契約か?スポット契約か?違いとメリット・デメリット

確定申告の税理士業務

確定申告を税理士に依頼した場合、具体的には何をやってくれるのか?依頼者側で何をするのか?についてまとめました。

基本的な業務内容

個人事業主の確定申告を税理士に依頼した場合、税理士がやる主な業務は決算書の作成、確定申告書の作成・提出です。

帳簿の作成に関しては、契約により違います。依頼者側で作成する場合と税理士側で作成する場合とがあります。後述しますが、この帳簿作成から税理士に依頼することを丸投げと呼んでいます。

決算書の作成

売上、仕入、経費などの金額が確定したら決算を組みます。決算は棚卸しや減価償却費を仕訳として計上し決算書を作成します。個人事業主の確定申告での決算書は青色申告の場合「青色申告決算書」、白色申告の場合「収支内訳書」といって、確定申告書に添付します。

確定申告書の作成・提出

決算書で算出した所得と他に所得があれば合算して、その他、扶養や社会保険料など所得から控除できるものを控除したうえで、最終的な所得・税額を算定して確定申告書を作成します。その後、税務署に電子申告又は書面にて提出します。

丸投げとは

青色申告の場合、帳簿の作成が必要です。通常は会計ソフトを使って入力し帳簿を作成しますが、この帳簿作成も税理士が請け負うことを記帳代行といいます。

そして、確定申告を税理士に依頼するうえで、帳簿作成から前述した決算書の作成、確定申告書の作成・提出まで一式で依頼することを丸投げと言いいます。

白色申告の場合も帳簿は必要ですが、複式簿記でやる必要はなく、家計簿的な簡易帳簿でよいので、一般的には白色申告の場合、帳簿は依頼者側でやって、決算書の作成以降を税理士がやるパターンが多いです。

スケジュール・手続きの流れ

還付申告でもない、一般の確定申告は例年2月16日から3月15日までが受付期間です。2月16日を過ぎないと確定申告書が提出できないので、税理士が業務に着手するのは2月16日以降になります。

帳簿作成を依頼者側でやる場合

税理士が業務に着手するのは2月16日以降ですがその後の日程がタイトなので、2月16日には決算書に着手できるように1月末をめどに帳簿の作成が完了するのがベターです。

税理士に依頼する際に手渡す書類は以下のものがあります。

  • 作成した帳簿
  • 棚卸しの集計表
  • 国民年金や生命保険の控除証明書等

丸投げの場合

帳簿の作成から丸投げで税理士に依頼する場合には、年明け早々には税理士へ必要資料を渡しておく必要があります。

税理士に依頼する際に手渡す書類は以下のものがあります。

  • 売上関係の請求書、仕入や経費に係る請求書・領収書
  • 棚卸しの集計表
  • 国民年金や生命保険の控除証明書等

確定申告の税理士費用

確定申告を税理士に依頼するとき、最も気になるのが税理士費用ですよね。税理士費用の相場を契約ごとにまとめました。

スポット契約

スポット契約の場合、青色申告と白色申告で金額に違いがあり、青色申告も依頼者側で帳簿作成をするのか、税理士に依頼するのかでも違いがあります。

青色申告

青色申告の税理士費用は、年間売上高を目安に次の金額が概ねの相場です。

年間売上帳簿作成は自分で行う場合帳簿作成も依頼する場合
500万円未満5万円~10万円~
500万円以上1,000万円未満7万円~12万円~
1,000万円以上3,000万円未満10万円~15万円~
3,000万円以上5,000万円未満15万円~20万円~

白色申告

白色申告の場合の確定申告の税理士費用は、概ね5万円~10万円が相場です。

白色申告の場合の相場

5万円~10万円

顧問契約

一般的に白色申告で顧問契約するケースはほとんどないので、青色申告を前提とすると、顧問契約の場合の相場は、月額顧問料:2万円、決算報酬:10万円くらいが相場です。

顧問契約の相場

月額顧問料:2万円、決算報酬 :10万円

年間合計の税理士費用:34万円

まとめ

例年、税理士業界は12月の年末調整から繁忙期に突入します。一般的には、確定申告が迫ってからが繁忙期と思われていますが、既に12月の時点で業務過多になりがちです。

というのも、12月・1月は

12月
顧問先企業各社の年末調整事務
1月
税務署への法定調書の作成・提出、給与支払報告書の市町村への提出、償却資産税申告書の市町村への提出

といった業務が殺到します。

2月の時点では、例年の確定申告がスケジュールに組みこまれるので、新規は受け付けられない状況になっています。

税理士に確定申告を依頼するなら、できるだけ早く検討することをおすすめします。

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