
確定申告を税理士に依頼するとき、気になるのが税理士費用ですよね。
税理士費用は相場を知らないと、
- 相場より高い金額で契約してしまった
- 安かったけど、対応があまり良くなくて後悔している
- そもそも相場がわからず判断できない
といった不利益を被ることになります。
とはいえ、税理士費用の相場なんて調べようもないし、仮に調べられてもそれが適正化は判断できないですよね。
そこで、この記事では
この記事の内容
- 業務ごとの税理士費用の相場
- 税理士費用を抑える方法
- 税理士に依頼する際の注意点や準備しておくもの
- 税理士選びの重要ポイント
などを税務の実務に通算18年従事した私の経験をもとに解説します。

業界を知りながら、でも税理士ではない、客観的な視点から解説します。
これから、確定申告を税理士に依頼したいけど税理士費用がネックで戸惑っている人には必見の内容です。ぜひ最後までご一読ください。
税理士に依頼するメリットとデメリット

確定申告を税理士に依頼する場合のメリット・デメリットをまとめると以下のとおりです。
税理士を利用するメリット
税理士を利用することには、以下のようなメリットがあります。
- 専門知識を持つプロによるアドバイスが受けられる
- 税理士は税金や会計に関する専門知識を持ち、個人の収入や資産状況に応じた最適な税金対策を提供してくれます。また、税務署とのやり取りや納税申告書の作成などの手続きも全て代行してくれるため、手間やストレスを軽減できます。
- 節税効果を狙える
- 税理士は、節税効果を狙ったアドバイスを提供することができます。具体的には、経費の見直しや控除の活用、税制優遇措置の利用などがあります。これらのアドバイスを受けることで、実際に納めるべき税金額を減らすことができます。
- 手続きのミスを防げる
- 税務署の手続きには複雑なものがあり、書類の不備や期限の遅れなどのミスがあると、追加の手続きや追加課税などのトラブルにつながることがあります。税理士に依頼することで、正確な手続きを行い、不備を防ぐことができます。
税理士を利用するデメリット
税理士を利用することには、以下のようなデメリットがあります。
- 費用がかかる
- 税理士に依頼する場合、必ず一定の費用がかかります。報酬は、税理士事務所によって異なりますが、一般的には収入に応じた割合で計算される場合が多く、手間を要する場合は比較的高額になることがあります。
- 自分自身で学ぶ機会を逃す
- 税理士に依頼することで、自分自身で税金や会計の知識を身につける機会を逃すことがあります。また、税理士が全ての手続きを代行してくれるため、自分で手続きを行う機会が少なくなるため、自分自身でのスキルアップが難しくなる場合があります。
確定申告の流れと期限

確定申告の流れ
確定申告の流れは大きく3つに分かれます。まずは所得の収集、次に申告書の作成、最後に申告書の提出です。
所得の収集
確定申告を行うためには自分の収入や経費などの所得を正確に集計する必要があります。給与所得の場合は給与明細書、自営業所得の場合は収支計算書などを用いて所得を集計します。
申告書の作成
集計した所得を元に申告書を作成します。申告書の種類は所得の種類によって異なりますが、一般的には「所得税・住民税の申告書」が用いられます。申告書には自分の所得や経費、控除などを詳細に記入する必要があります。
申告書の提出
作成した申告書を提出します。提出方法は、電子申告、紙面申告、窓口提出などがあります。提出期限を守り、正確な情報を提出することが大切です。
確定申告の期限
確定申告の期限は原則として、毎年2月16日から3月15日までの期間となります。ただし、申告書を税理士に依頼する場合は、税理士によっては業務過多になるため、申告代理業務の受付を中断する場合もあるので、申告書の提出期限だけではなく、前もって確認し準備する必要があります。
確定申告期限を過ぎた場合の罰則
確定申告期限を過ぎた場合は、申告書の提出は受け付けてくれますが、無申告加算税や納付すべき本税に対する延滞税などが罰則して課されることがあります。
税理士費用の種類と料金の相場

確定申告を税理士に依頼する場合、所得の種類によって費用が違ってきます。
事業所得
事業所得は、帳簿の作成が必要になるため、他の所得より税理士費用は高めになります。また、簡易帳簿でよい白色申告と複式簿記で作成する必要がある青色申告では費用が違ってきます。
目安としては、白色申告が5万円~10万円、青色申告が10万円~20万円になります。
不動産所得
不動産を賃貸することで賃料収入を得る不動産所得は、税務上は、事業規模であるか否かで青色申告を適用できるかが変わり、それによって帳簿が簡易なものか複式簿記によるものか変わってきます。
事業規模というのは、一般的に5棟10室基準と言われ、戸建てであれば5棟以上、アパート等であれば10室以上を事業規模としています。
費用の相場は、事業規模でなければ、物件数に応じて3万円から10万円、事業規模であれば10万円~20万円が目安です。
サラリーマンの確定申告
サラリーマンが確定申告で住宅ローン控除や医療費控除、ふるさと納税をする場合の確定申告の費用の相場はおおむね3万円程度になります。ただし、株式の売買やFXなどの所得がある場合、5万円程度になります。
税理士費用を抑える方法

税理士に依頼することで確実な申告が可能になりますが、その分税理士費用もかかります。そこで、税理士費用を抑える方法について紹介します。
税理士費用を抑えるための方法
個人事業主の場合、以下のような方法で税理士費用を抑えることができます。
- 帳簿をしっかりとつける
- 帳簿を正確につけることで、税理士が確定申告書を作成する際に手間がかからず、費用を抑えることができます。
- 事前に相談する
- 税理士に依頼する前に、事前に相談することで、必要な書類や情報を整理することができます。また、相談料が発生する場合もありますが、それほど高額ではありません。
税理士費用を抑えるためのポイント
税理士費用を抑えるためには、以下のポイントに注意することが大切です。
- 見積もりを取る
- 複数の税理士に見積もりを依頼し、費用を比較することで、最も適切な税理士を選ぶことができます。
- 契約内容を確認する
- 契約内容をしっかりと確認することで、不必要な費用を支払うことを避けることができます。また、途中解約時の費用や追加料金なども含めて確認することが大切です。
税理士に依頼する前に準備しておくべきこと

個人事業主の場合は、確定申告では以下の書類が必要になります。少しでもスムーズに手続きが進むように税理士に依頼する時点ですべてそろえておくことが重要です。
- 源泉徴収票(請負業など対価を報酬として受け取り源泉徴収票が発行されている場合)
- 領収書、請求書等の経費明細書
- 取引先との契約書や注文書などの取引関係書類
- 銀行口座の通帳や預金証明書
- カード明細書などの金融関係書類
- 保険料の控除に必要な保険控除証明書
また、書類の保存期間も確認しておきましょう。源泉徴収票や領収書、請求書などの経費関係書類は、確定申告の提出から7年間は保管が必要です。
税理士に依頼する際の注意点

税理士に依頼する際には、注意点があります。ここでは、税理士に依頼する際の注意点について説明します。
事前に相談しておくべきこと
税理士に依頼する前には、相談をすることが大切です。相談することで、自分の状況に合った税理士を選ぶことができます。相談時には、以下のようなことを確認しておくとよいでしょう。
- 税理士の実績や経験
- 料金体系や契約内容
- 確定申告に必要な書類や期限
- 相談内容の秘密保持など
契約書の内容について
税理士に依頼する際には、契約書を交わすことが一般的です。契約書には、依頼内容や料金、期限などが明記されています。ここでは、契約書の内容について説明します。
- 契約書の必要性
- 契約書は、依頼内容や料金、期限などの約束事を明確にすることができます。契約書があることで、トラブルが生じた場合にも証拠となります。
- 契約書のポイント
- 契約書には、以下のような内容が含まれます。
・依頼内容
・料金体系
・期限
・保証内容
・個人情報の取り扱いについて
契約書を交わす前に、内容をよく確認することが大切です。また、不明な点や不安な点がある場合には、事前に相談することが重要です。
税理士を選ぶ際に重要なポイント

税理士は、重要な個人情報などを提示するため信頼関係が必要です。選ぶにはしっかりとした基準をもって選ぶことが求められます。
税理士を選ぶ前に自分が求めるものを明確にする
税理士を選ぶ前に、自分が求めるものを明確にすることが大切です。例えば、確定申告だけを依頼する場合と、経営に関するアドバイスも求める場合では、必要なスキルや経験が異なってきます。また、費用や対応スタイルにも違いがあるため、自分が何を求めているかを明確にし、それに合った税理士を選ぶことが重要です。
税理士を選ぶ際に重要なポイント
税理士を選ぶ際には、以下のポイントに注目することが大切です。
- 税理士の資格や実績について
- 税理士の資格や実績は、その税理士がどれだけ信頼できるかを示す重要な要素です。まず、税理士資格を持っているかどうかを確認し、さらに実務経験や専門分野、実績を確認することで、税務に関する知識やスキル、実力を把握することができます。
- 対応可能な業種や業務内容について
- 自分が所属する業種や行っている業務内容について、税理士が対応可能かどうかを確認することが大切です。業種や業務内容によって、税務の知識や経験が必要とされる分野が異なるため、自分の業種や業務内容に合った税理士を選ぶことが大切です。
- 料金体系について
- 税理士の料金体系は様々であり、報酬金額や支払い方法、追加料金なども異なってきます。税理士によっては、初回相談料が無料であったり、定期的な相談に割引があったりする場合もあります。自分が求めるサービスに対して適切な料金体系を持っている税理士を選ぶことが大切です。
- アフターフォローについて
- 税務相談や問題解決のサポートを含むアフターフォローは、税理士との契約時に忘れてはならないポイントです。一度だけの相談だけでなく、長期的なビジネスパートナーシップを築くことができる税理士を選ぶことも大切です。また、税理士の連絡先を簡単に取得できるかどうか、応答時間が速いかどうかなども重要です。税理士があなたのビジネスに貢献するためには、信頼関係を築くことが必要です。
税理士選びで失敗しないためのポイント
税理士選びで失敗しないためのポイントを以下、簡潔にまとめました。
- 複数の候補から比較する
- 複数の税理士候補を比較することで、価格、実績、専門分野、サービス、アフターフォローなど、さまざまな要因を比較することができます。比較検討の結果、最適な税理士を選ぶことができます。
- 口コミや評価を確認する
- 口コミや評価を確認することで、他の顧客からのフィードバックを収集することができます。これにより、税理士が提供するサービスの質や、アフターフォローの質、応答時間など、重要なポイントを知ることができます。
- 信頼できる情報源を利用する
- 税理士選びで信頼できる情報源を利用することも大切です。例えば、税理士会や公認会計士会などの公式サイトから情報を収集することができます。また、信頼できる口コミサイトや比較サイトからも情報を得ることができます。ただし、一部のサイトは広告料などによって評価が操作されている場合があるため、信頼性を確認することが必要です。
税理士を選ぶ際には、自分が求めるものを明確にし、複数の候補から比較することが大切です。また、資格や実績、対応可能な業種や業務内容、料金体系、アフターフォローなど、様々なポイントを検討し、信頼できる情報源から情報を収集することが重要です。これらのポイントを踏まえて、自分に合った税理士を選ぶことができれば、スムーズな税務処理を行うことができます。
税理士選びは自分で探すより、税理士紹介サイトを利用すると、楽で効率的に探せます。おススメの税理士紹介サイトは以下の記事で紹介しています。
税理士紹介サイトのおすすめ【2023年6月最新】主要5社を徹底比較!
まとめ
確定申告は重要ですが、個人事業主がビジネス以外に時間を費やすことは生産性を低下させることがあります。そのため、税理士に依頼するのは、時間とお金を節約するために非常に有益です。ただ、税理士を選ぶ際にはいくつかのポイントに注意する必要があります。
税理士を選ぶ際のポイントとしては、自分が求めるものを明確にすることが重要です。その上で、
- 税理士の資格や実績
- 対応可能な業種や業務内容
- 料金体系
- アフターフォロー
などを検討する必要があります。また、複数の候補を比較する際には、口コミや評価を確認することも重要です。その際は信頼できる情報源を利用しましょう。
税理士費用に関しては、一般的には相場が存在しており、確定申告や経理業務などにかかる時間と難易度によって決まります。
費用を抑える方法としては、
✅複数の税理士に見積もりを依頼して比較する
✅経理業務を自社で行い、税理士に確定申告のみを依頼する
などがあります。
税理士に依頼することは、個人事業主にとって大きなメリットがあります。しかし、コミュニケーションの必要性や料金負担などもあります。そのため、適切なポイントを理解し最適な税理士を見つけることが必要です。
税理士費用に関するよくある質問

税理士に依頼するとき、どのような準備をしておくべきですか?
税理士に依頼する前に、事前に自分の事業の収支、経費、資産や負債などの会計記録を整理しておくことが重要です。また、依頼する税理士の選定も慎重に行う必要があります。
確定申告を自分で行う場合、注意すべきポイントはありますか?
確定申告を自分で行う場合には、収入や経費の計算方法、税率の確認、控除や特別控除の利用などに注意が必要です。また、税制改正で変わった点も把握しておく必要があります。
電子申告を利用する際には、税務会計関係の準備だけでなく、電子証明書や電子証明書で使用する署名用パスワードの管理なども注意が必要です
税理士費用を抑えるために、どのような方法がありますか?
理士費用を抑えるためには、事前に自分でできる会計処理や申告書作成を行うことや、業務内容に合わせたプランの選択、費用の見積もりの比較、税理士の業務量を減らすことが挙げられます。ただし、安易な節約によって必要なサポートが受けられなくなることも考慮する必要があります。