
- 飲食店をしているけど、税理士を頼むならどんな税理士がいいの?
- 税理士によって何か違いがあるの?
とお悩みではないですか?
じつは、飲食店をしているなら、税理士の選び方にはポイントがあります。そこを外すと、税務調査で「こんなはずじゃなかった」と後悔することになります。
というのは、飲食店の場合、
現況調査といって予告なしで経営者の自宅と店舗に調査官が二手に分かれて来ます。
なので、立ち会いを考えたら税理士2人以上の事務所でないと対応できません。
とはいえ、
税理士の選び方もしらないし、費用がどれくらいかかるかもわからないのでは、不安ですよね。
そこでこの記事では、
この記事の内容
- 飲食店の税務調査
- 飲食店の税理士の選び方・探し方
- 税理士費用の相場や税理士のサービス
について、

税務の実務に通算18年従事した私の経験をもとにお伝えします。
飲食店を経営していて、これから税理士を探す方にとっては必見の内容です。最後まで読んで、いい税理士との契約に役立ててください。
飲食店の税務調査

飲食店の税務調査は、
現況調査といって、経営者の自宅と店舗に二手に分かれて同時刻に税務調査が来ます。
予告なしで二手に分かれて同時刻にくる理由は、店の売上の現金をこっそり隠すことを防ぐためです。
飲食店は現金商売なので、脱税の手口は、店舗の売上金を申告せずに経営者が懐に入れるというのが一番多いパターンです。
つまり、現場を押さえないと意味がないんですね。
そのため、現況調査で同時に店舗と自宅を押さえるということになります。
飲食店の税理士の選び方

ということで、飲食店の税理士の選び方は、つぎの2つが重要ポイントになります。
ポイント
- 税務調査に立ち会える税理士が2人以上いること。
- 経験が豊富で税務調査に強いこと。
予告なしの現況調査なので、やっぱり税理士に立ち会ってもらわないと不安ですよね。税理士が1人しかいない場合、どちらかは立ち会いがない状況になります。
なので、基本的に税理士一人でやっているような事務所だと正直心もとないところです。
税務調査の経験豊富な税理士が2人以上というのが必須です。
ちなみに、飲食店の経理や税務については、特殊なことはないので、どんな税理士でも対応できます。それより、大事なのは、税理士に求めることと税理士費用とのバランスです。
税理士のサービスと費用

税理士を選ぶうえで大事なのは、
税理士に求めることと税理士費用とのバランスです。
年に一回決算書と税務申告書の作成だけで十分なのに、毎月の顧問料を支払って、不要な経営分析などをしてもらっては税理士費用の無駄です。
そんな無駄な費用を払うことのないように、
- 税理士のサービスの内容
- 税理士費用の仕組み
をしっかりチェックしましょう。
税理士のサービスの内容
税理士のサービスは、
1⃣顧問契約
毎月定期訪問して、試算表をもとに経営分析や資金繰りの相談をする月次顧問の契約
(決算時に決算書と税務申告書の作成は含まれます)
2⃣スポット契約
年に一回の決算時に決算書と税務申告書の作成のみのスポット契約
と大きく二つに分かれます。
これとは別に「記帳代行」というオプション的な位置づけのものがあります。
記帳代行というのは、法人や個人事業の場合、帳簿を備え付けて記録する義務があります。ただ、帳簿への記録は簿記の知識がなくては、かなり難しいです。そこで、簿記の知識がある税理士が、請求書・領収書などのもととなる資料から、帳簿の記帳を代行するというサービスが発生しました。
税理士費用
税理士費用の相場は、
1⃣顧問契約の場合
個人事業だと月額顧問料2万円、これに決算料が月額顧問料の4ヶ月分で8万円、年間32万円。
法人だと月額顧問料3万円、これに決算料が月額顧問料の4ヶ月分で12万円、年間48万円。
2⃣スポット契約の場合
個人事業だと10万円。
法人だと15万円から20万円。
といった感じです。
これに記帳代行を含めるのか、記帳代行分は別途となるのかは、その税理士によります。
税理士費用の相場の根拠はこちらの記事でくわしく解説しています。
顧問契約の場合、月に1回経営分析や打ち合わせなどがあり、サービスが手厚くなる分、スポット契約より税理士費用は高くなります。
「税理士のサービスがどこまで必要なのか」と「税理士費用」のバランスをよく考えて契約するのが大事になってきます。
ただし、相場はあくまで目安で、あなたの事業の規模(売上や店舗数)、税務申告の状況によって変わりますのでご注意下さい。
飲食業の場合の判断基準
ちなみに、飲食業の場合だと、
今後多店舗展開せずに家族経営でやっていく場合なら、顧問契約して毎月の経営分析などは不要です。
逆に多店舗展開していく場合などは、毎月までなくても四半期に1回は財務状況の分析・確認は必要です。
以上を検討し、税理士に求めるサービスと将来の展望を練ったうえで、税理士と面談の上すり合わせましょう。
飲食店の税理士の探し方

ここまでで、税理士の選び方についてはおわかりいただけたでしょうか。
ここからは、税理士を探す場合のお話になります。
税理士を探すというと、
多くの方は、ネット検索で税理士を探すことを想像します。
でも、上述したように、飲食店の場合、
- 税務調査に立ち会える税理士が2人以上いること。
- 経験が豊富で税務調査に強いこと。
という条件付きで探すことになります。
この場合、じつはネット検索はあまり向いていません。
なぜかというと、
1件1件、税理士のホームページをチェックしていっても、条件を確認できないこともあるからです。
確認できない場合に、電話で問い合わせするのも気が引けますよね?
なにより、ネット検索で1件1件見ていくなんて面倒です。
そこで、おすすめなのが税理士紹介サイトです。
税理士紹介サイトとは
税理士紹介サイトとは、利用者と税理士をマッチングさせるサービスで、希望する条件を税理士紹介サイトに伝えると、登録税理士の中から、希望に合う税理士を選定して紹介してくれます。
税理士紹介サイトは、税理士から紹介料を受けとることで運営しています。そのため、利用者は無料で利用できます。

また、ほとんどの税理士紹介サイトは、契約に至るまで、何度でも税理士を紹介してくれます。
税理士紹介サイトの利用の流れ
税理士紹介サイトを利用するときの流れは次のような感じになります。
申し込み

税理士紹介サイトの利用は、インターネットから簡単な登録フォームに入力するだけです。
担当者によるヒアリング

税理士紹介サイトに登録すると、税理士紹介サイトの担当者から登録した連絡先に電話かメールアドレス宛にメールで連絡が来ます。
どんな税理士を希望するか?あなたの営む事業の業種、法人か個人か?などのヒアリングがあります。
このとき、飲食店の場合、
- 2人以上の税理士がいる事務所
- 税務調査の経験が豊富な事務所
ということを伝えます。
税理士の選定

税理士紹介サイトの担当者が登録税理士の中から要望に沿う税理士を選定し紹介します。
通常は2人~3人の税理士と面談をするので、税理士紹介サイトの方から2人~3人の税理士の候補が紹介されます。面談の希望日を伝えると、日程調整まで代行してくれます。
税理士との面談

希望した税理士と面談をします。
サービスに対しての質問、税理士費用の相談なども、このタイミングで行います。
契約

税理士との面談で、問題なければ「契約」となります。
成約の場合、紹介手数料は税理士側に発生します。税理士と税理士紹介サイトの間で紹介手数料の授受があるので、あなたには一切の費用は発生しません。

考え方やフィーリングが合わないなど契約したくない場合には、その場で返答せず、税理士紹介サイトの担当者に伝えれば、あなたに代わって無難にお断りを入れてくれます。
断るストレスがないのも税理士紹介サイトを使う大きなメリットです。
税理士紹介サイトの選び方や人気の税理士紹介サイトのランキングについてはこちらの記事でくわしく解説しています。
まとめ
飲食店の税理士の選び方は、つぎの2つが重要ポイントになります。
- 税務調査に立ち会える税理士が2人以上いること。
- 経験が豊富で税務調査に強いこと。
税理士を探すうえでは、上の2つのポイントを満たすように条件付きで探すので、「税理士紹介サイト」を使うと効率よく探せます。
また、税理士との契約については、
「税理士のサービスがどこまで必要なのか」と「税理士費用」のバランスをよく考えて契約するのが大事になってきます。
いい税理士は、財務面であなたのビジネスのいいパートナーとなります。会計や節税だけでなく資金繰りなどの相談もできるいい税理士と巡り合えるように、何人かの税理士と面談して耳を傾けてみてください。
最後までお読みいただきありがとうございました。