
- 不動産の確定申告、自分でやるのは面倒だなぁ
- 税理士に頼もうと思うけどメリットやデメリットは?
- そもそも税理士費用は高いの?
とお悩みではないですか?
じつは、不動産投資の確定申告は不動産所得の申告なのですべての税理士が対応できます。
ただ、確定申告だけではなく、アパートローンや不動産投資の売却などの出口戦略などを考えると、不動産投資に強い税理士とその他の税理士では圧倒的に差が出ます。
不動産投資特有の経費の処理まちがいで節税できない、税務調査で否認されて追徴課税を受けるなどのリスクもあります。
そこで、この記事では、個人の不動産所得の確定申告で、
この記事の内容
- 税理士に依頼するメリット・デメリット
- 税理士のサービスと費用
- 不動産投資に強い税理士のメリット
- 不動産投資に強い税理士の選び方・探し方
について、

税務の実務に通算18年従事し、100件超の税務調査の立ち会いも経験した私が、業界経験者視点で解説します。
今後、不動産投資を継続したい、また、物件を買い増して事業を拡大したいと思うなら、財務面のパートナーとしていい税理士を選びましょう。
結論から言うと、
不動産投資に強い税理士の選び方のポイントは、次の3つです。
結論
- 不動産投資の顧客が多い
- 金融機関とのパイプがある
- 相続、譲渡所得などの資産課税に強い
税理士に依頼するメリット・デメリット

不動産投資の確定申告を税理士に頼もうかと考えたとき、まず知っておきたいのは、税理士に依頼するメリット・デメリットですよね。
以下、簡潔にまとめてみました。
税理士に依頼するメリット
確定申告を税理士に依頼するメリットは、
メリット
- 青色申告の制度などを正しく利用できる。
- 正規の簿記による帳簿を作成してもらえる。
- 銀行提出の決算書の信頼性が増す。
といったところです。
青色申告の制度などを正しく利用できる。
青色申告は、申請すれば誰でも受けられるわけではなく、不動産所得の場合、事業規模が問われるんですね。
事業規模というのは、貸間・アパートなら概ね10室以上、独立家屋なら概ね5棟以上という基準があります。

No.1373 事業としての不動産貸付けとそれ以外の不動産貸付けとの区分
それから、青色申告は特別控除といって、所得から特別に控除できる特典があります。
➊正規の簿記で記帳、➋決算書を添付、➌期限内に申告書を提出、この3つを満たせば控除額は55万円です。
これに加えて、期限内に電子申告すると控除額は65万円になります。
いずれも満たさないと控除額は10万円です。

この控除額は実務上まちがいが大変多いです。改正で変更されることもあるので、税理士以外で正しく理解している方が珍しいくらいです。
「よく知らないから」という理由が通るわけではないので、正しく申告するなら税理士に依頼するのが得策です。
正規の簿記による帳簿を作成してもらえる
青色申告で55万円または65万円の控除を受けるには正規の簿記で記帳して、決算書を作る必要があります。でも、この作業は簿記の知識がないと、結構大変です。
これも税理士に依頼することで解決します。
銀行提出の決算書の信頼性が増す
不動産投資では、物件購入時にアパートローンを組む場合もあります。アパートローンを組むと、申請する時、申請した後、銀行から決算書の提出を求められます。
もちろん自分で確定申告したときの決算書で問題はないですが、
税理士が作成したものであれば、税務会計のプロが作成したものとして、一層信頼性は増します。
税理士に依頼するデメリット
確定申告を税理士に依頼するデメリットは、以下3つになります。
デメリット
- 税理士費用が発生する
- 料金面のトラブルが発生することがある
- 税理士の対応にバラつきがある
このデメリットのうち税理士費用の発生はしょうがないですが、その他の2つついては、税理士のサービスと費用が周知されていないのが原因です。
つまり、
年に1回の決算と税務申告のみの契約なのに、毎月の訪問や打ち合わせを期待している。
ような場合です。
このズレをなくすためにも、税理士のサービスと税理士費用について正しく認識しておきましょう。
税理士のサービスと費用

税理士に依頼するには、まず、税理士の契約の形態や税理士費用の相場について知っておきましょう。
税理士のサービスの内容
税理士のサービスは、顧問契約とスポット契約の二つがあります。
- 顧問契約
- 毎月定期訪問して、試算表をもとに経営分析や資金繰りの相談をする月次顧問の契約
(決算時に決算書と税務申告書の作成は含まれます)
- スポット契約
- 年に一回の決算時に決算書と税務申告書の作成のみのスポット契約
また、これとは別に、「記帳代行」というオプション的な位置づけのものがあります。
- 記帳代行
- 記帳代行というのは、法人や個人事業の場合、帳簿を備え付けて記録する義務があります。ただ、帳簿への記録は簿記の知識がなくては、かなり難しいです。そこで、簿記の知識がある税理士が、請求書・領収書などのもととなる資料から、帳簿の記帳を代行するというサービスが発生しました。
税理士費用
税理士費用の相場は、顧問契約・スポット契約だと以下の金額が目安になります。
顧問契約の場合
個人事業だと月額顧問料2万円、これに決算料が月額顧問料の4ヶ月分で8万円、年間32万円。
法人だと月額顧問料3万円、これに決算料が月額顧問料の4ヶ月分で12万円、年間48万円。
スポット契約の場合
個人事業だと10万円。
法人だと15万円から20万円。
これに記帳代行を含めるのか、記帳代行分は別途となるのかは、その税理士によります。
税理士費用の相場の根拠はこちらの記事でくわしく解説しています。
税理士の顧問料の相場は概ね3万円、その根拠を業界経験者が暴露します!
顧問契約の場合、月に1回経営分析や打ち合わせなどがあり、サービスが手厚くなる分、スポット契約より税理士費用は高くなります。
「税理士のサービスがどこまで必要なのか」と「税理士費用」のバランスをよく考えて契約するのが大事になってきます。
ただし、相場はあくまで目安で、あなたの事業の規模(売上や店舗数)、税務申告の状況によって変わりますのでご注意下さい。
不動産投資の場合の判断
不動産投資で税理士契約をするなら、今後の事業展開で検討しましょう。
1物件を買い増しせずに維持するなら、スポット契約。
今後、買い増しをして、事業を拡大していくなら、銀行の融資などもあるので、顧問契約。
といった感じです。
ただ、不動産投資には、課税関係が絡んだり、財務的判断が必要な場面が多々あります。その場面ごとで適切な判断ができないと、最終的にトータルで損することもあります。
それを踏まえて、
どうせ、税理士契約するなら不動産投資に強い税理士がおすすめです。
不動産投資に強い税理士のメリット・選び方・探し方

不動産投資で税理士を選ぶなら、不動産投資に強い税理士がおすすめです。でも、具体的にどんなメリットがあって、どう選ぶのか?わかりませんよね。ここでは、不動産投資に強い税理士のメリット・選び方・探し方について解説しました。
不動産投資に強い税理士のメリット
不動産投資に強い税理士と契約すると何が違うのか?そのメリットをあげると、、、
メリット
- 不動産投資特有の経費の取り扱いを抑えた節税が期待できる。
- 金融機関の動向に詳しいので、融資の際に頼りになる。
- 出口戦略の税制に明るいので物件売却時の税務リスクを低減できる。
不動産投資特有の経費の取り扱いを抑えた節税が期待できる。
不動産投資には、特有の経費があります。例えば、区分所有マンションの修繕積立金などです。
ポイント
修繕積立金は税務上、支払ったときには経費になりません。では、いつ経費になるかというと、先々実際に修繕が行われたときです。(所得税基本通達37-2)
通達にもこ明示されているので、不動産税務に疎い税理士は、この通達にならい「支払ったときは積立金」で、先々修繕が行われてから「経費にすべき」と認識してしまいます。
ところが、修繕積立金は一定の要件を満たすと、支出したときの経費とすることができます。この取り扱いを知っているかどうかで、毎年の必要経費の金額は大きく変わります。当然税額にも影響してきます。
金融機関の動向に詳しいので、融資の際に頼りになる。
税務会計上の儲けは、いわば帳簿上の利益にしかすぎません。不動産投資の場合、アパートローンなどの借入金の返済、投資物件の減価償却費などが絡むので、お金の収支と利益にズレが生じます。
銀行は融資の上では、利益だけではなく、返済資金の原資を見ています。
なので、所得の計算だけでなく、キャッシュフローを意識して財務が見れる不動産投資に強い税理士の方が銀行取引の上では、安心感が違います。
出口戦略の税制に明るいので物件売却時の税務リスクを低減できる。
所有物件を売却する場合や、親族に相続する場合など、思わぬ課税があったり税務上のリスクが伴います。運営中は順調でも、出口戦略の税制を知らないと、結果的に損することが大いにあります。
不動産投資に強い税理士なら、事前に相談して税務リスクを軽減できます。
不動産投資に強い税理士の選び方3つのポイント
不動産投資に強い税理士のメリットはわかったけど、実際どうやって選ぶのか?
というと、
具体的に見極める選び方のポイントがあります。
それは以下3つです。
選び方のポイント
- 不動産投資の顧客が多い
- 金融機関とのパイプがある
- 相続、譲渡所得などの資産課税に強い
とはいえ、
条件を並べられるだけでは、実際に見極めは難しいですよね。
じつは、
現実的には、「税理士の選び方」よりも、どこでどうやって探すか?
という「税理士の探し方」をうまくやれば、上の条件での税理士選びが簡単になります。
不動産投資に強い税理士の探し方
税理士を探すとしたら、どういうやり方をイメージしますか?一番イメージしやすいのは「ネット検索」ではないでしょうか?
でも、ネット検索はおススメしません、
なぜかというと、
「不動産投資に強い税理士」を探すには、
- 不動産投資の顧客が多い
- 金融機関とのパイプがある
- 相続、譲渡所得などの資産課税に強い
という条件付きで探します。
ところが、検索で上位表示された税理士が、条件をホームページ上に表示しているとは限りません。
つまり、ネット上では条件と合致するかどうかを確認できないんです。
だからといって、電話で問い合わせするのも気が引けますよね?
そこで、おすすめなのが税理士紹介サイトです。
税理士紹介サイトというのは、利用者と税理士をマッチングさせるサービスで、希望する条件を税理士紹介サイトに伝えると、登録税理士の中から、希望に合う税理士を選定して紹介してくれます。
利用はもちろん無料です。

つまり、税理士紹介サイトをつかえば、担当者に、「不動産投資に強い税理士」としての条件の
- 不動産投資の顧客が多い
- 金融機関とのパイプがある
- 相続、譲渡所得などの資産課税に強い
という3つのポイントを伝えるだけで、完了します。
税理士紹介サイトをつかった税理士の探し方、税理士紹介サイトの利用の流れはこちらの記事で解説しました。
税理士の探し方がわからない人必見!税理士が教えない不都合な真実と探し方のコツ
まとめ
不動産投資で確定申告する際は、税理士に依頼するメリット・デメリットを認識したうえで、「税理士のサービスがどこまで必要なのか」と「税理士費用」とのバランスをよく考えて契約するのが大事になってきます。
また、税理士に依頼するなら、不動産投資に強い税理士を選択すると、以下のようなメリットがあるので、おすすめです。
メリット
- 不動産投資特有の経費の取り扱いを抑えた節税が期待できる。
- 金融機関の動向に詳しいので、融資の際に頼りになる。
- 出口戦略の税制に明るいので物件売却時の税務リスクを低減できる。
不動産投資に強い税理士の見極めるには、
- 不動産投資の顧客が多い
- 金融機関とのパイプがある
- 相続、譲渡所得などの資産課税に強い
を基準として、税理士紹介サイトをつかって探すと、楽に効率的に求める税理士を探すことができます。
ぜひ参考にしてください。
最後までお読みいただきありがとうございました。